2021年03月11日17時18分 三菱電機の新入社員だった20代男性が2019年8月、教育担当の上司によるパワハラを示す遺書を残して自殺した問題で、尼崎労働基準監督署(兵庫県尼崎市)が労災認定したことが11日、分かった。パワハラによる精神疾患が自殺の原因と判断したとみられる。遺族側の弁護士が明らかにした。 パワハラ根絶、全社員で宣言 再発防止強化策―三菱電機 弁護士によると、男性社員は19年4月に入社し、7月から尼崎市の生産技術センターに勤務。8月に自殺したが、遺書には、教育担当の上司から「次同じ質問してわからんかったら殺すからな」「自殺しろ」と言われたとの記載があった。 上司は自殺教唆容疑で書類送検され、神戸地検は20年3月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。遺族側は同年9月に労災申請し、先月26日付で認定された。 認定を受け遺族は「二度と同じような被害者が出ないよう、徹底した調査と情報開示、職場環境の改善に努めることを希望する」とコメントした。 三菱電機の話 本件を重く受け止めており、真摯(しんし)に対応する。認定を踏まえ、社長以下関係役員に追加処分を行う。
2019年末から2020年始にかけてパワーハラスメントに関する不祥事が大きな話題になった。 1つは三菱電機の男性新入社員が上司からパワハラを受けて自殺していたことが2019年12月に発覚したこと。もう1つは2020年東京五輪・パラリンピック開閉会の演出担当の電通のクリエーティブ・ディレクターが関連会社の社員へのパワハラで懲戒処分を受け、1月7日に演出担当を辞任したことだ。 電通といえば、高橋まつりさんのパワハラと長時間労働による過労自殺事件で政府の働き方改革を促す契機となったが、2019年9月に三田労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが12月に発覚した。 繰り返される三菱電機のパワハラ自殺のなぜ?
三菱電機新入社員の自殺を労災認定、ストレスで精神障害発症 三菱電機の20代の男性新入社員が令和元年8月に自殺した問題で、仕事の強いストレスにより精神障害を発症したのが原因として、尼崎労働基準監督署(兵庫県)が労災認定していたことが11日、分かった。遺族の代理人を務める嶋崎量弁護士が東京都内で記者会見し明らかにした。認定は2月26日付。 嶋崎弁護士はストレスの詳しい内容は不明とした上で、職場で「自殺しろ」などといわれたとする書き置きの存在を挙げ、「いじめや嫌がらせが事実認定されたのではないか」と指摘した。 嶋崎弁護士によると、男性は平成31年4月に入社。令和元年7月、尼崎市の職場に配属され、翌8月に自殺した。現場から書き置きが見つかり、教育主任から7月上旬以降に浴びせられた「次、同じ質問して答えられんかったら殺す」「飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」などの発言が記されていた。