Reviewed in Japan on January 1, 2008 この書は、「社会契約論」より早い時期に書かれています。そういう意味で「社会契約論」に通じるルソーの哲学の通過点として、「社会契約論」より先に読む価値はあると思います。また読者は本書を学問的に、そして歴史的価値として精読するべきというよりか、それを通り越して、率直に読み物として力をぬいて楽しめるのではないかと思います。 本書は、人間はいかに原始状態で、つまり自然状態において自由で平等であったのか、そしてそこから人間や文化の進歩にしたがって、どのように私有財産や法律などの概念を生み、不平等化による奴隷などの弊害をつくりながら国家を創出するにいたったのかの過程を論じています。その中でルソーは、理性、感情、欲求、自尊心といった人間の性質から、動物、農業、食事、病気、健康、恋愛、アフリカの未開人の生活様式、家族、教育といったものまで、様々な具体例をとりあげつつそれらを組み合わせて人間について熱く述べており、タイトルは堅苦しいですが、ルソー版人類学の側面としておおいに注目できます。個人的には、後半の政治や社会制度の進化と成立の過程論以上に、多くを占めるそういった人類学的な論述の方が興味深くて種々の発見と共に楽しく読めました。少し長いですが原注も必読です。 最後に、もちろん「社会契約論」とセットでお勧めします。
全て表示 ネタバレ データの取得中にエラーが発生しました 感想・レビューがありません 新着 参加予定 検討中 さんが ネタバレ 本を登録 あらすじ・内容 詳細を見る コメント() 読 み 込 み 中 … / 読 み 込 み 中 … 最初 前 次 最後 読 み 込 み 中 … 人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫) の 評価 71 % 感想・レビュー 105 件
かつて人間は不平等の殆ど存在せぬ自然状態にあったが,歴史的な進歩という頽落の過程をへてついには「徳なき名誉,知恵なき理性,幸福なき快楽」だけをもつ存在に堕する.それが専制社会における人間の悲惨なのだとルソー(1712―78)は論じ,同時代の社会と文化を痛烈に批判した.今も根元的な思索をうながしてやまぬ書. 凡 例 ジュネーブ共和国にささげる 序 文 注についての注意 本 論 第一部 第二部 第三部 原 注 付 録 ヴォルテールからルソーへの手紙 ルソーからヴォルテールへの返事 フィロポリスの手紙 ルソーのフィロポリスへの返事 訳 註 解 説 人間のすべての知識のなかでもっとも有用でありながらもっとも進んでいないものは,人間に関する知識であるように私には思われる.そこで私は,デルフォイの神殿の銘だけでも人性批評家たちのすべての部厚な書物よりも重要で難解な訓えを含んでいたのだとあえて言いたい.従って,私はこの論文の主題を,哲学の提出しうるもっとも興味深い問題の一つ,しかもわれわれにとって不幸なことには哲学者たちの解決しうるもっとも厄介な問題の一つとみなしている.なぜならば,まず第一に,人間そのものを知らなければ,どうして人々のあいだの不平等の起源を知ることができようか.そして次々に継起した時代や事物とによって人間の本源的構造のなかに生みだされたにちがいないすべての変化を通して,人間は自然の作ったままの相で自分を眺めることを,どうしてうまくやってのけるだろうか?
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ニンゲンフビョウドウキゲンロンフセンソウホウゲンリ 電子あり 内容紹介 体格、体力、手先の器用さなどの「自然」に基づく不平等ではなく、地位、身分の区別、貧富の差といった「人為」によって作り出された不平等は、人間を惨めで不幸にする。そんな不平等の起源と根拠を問い、不幸を回避するための道筋を示す。格差社会が深刻化している今、ますます重要性を帯びるルソーの主著を、原文を感じさせる日本語で新訳! 断片のみが残された作品『戦争法原理』の復元されたテクストを本邦初訳で併録した。 近年ますます注目されるジャン=ジャック・ルソー(1712-78年)の代表作、待望の新訳!