上の子がいる家庭では、のどの痛みを感じると溶連菌を疑う人もいるかもしれません。子どもを中心に流行する「溶連菌」ですが、妊婦健診でも溶連菌の検査を行うことがあります。溶連菌の種類や症状、母子への影響、予防・治療法などを解説します。 更新日: 2018年11月28日 この記事の監修 産婦人科医 藤東 淳也 目次 妊婦が注意すべきウイルスや細菌などの感染症 「溶連菌」にも複数ある!妊婦が注意すべき溶連菌は? 妊婦健診で調べる「B群溶血性連鎖球菌(GBS)」 子どもがかかりやすい「A群溶血性連鎖球菌(GAS)」 溶連菌の検査方法は? 溶連菌はどこでうつる? のどの痛み・かゆみに発疹、発熱、溶連菌の症状は? 溶連菌は出産や胎児に影響を与える? 溶連菌の治療法や対策はある? のどの痛みは溶連菌かも?何科を受診すべき? GBS(溶連菌)以外の母子感染も知っておこう 溶連菌はひとつじゃない!種類にあわせた対策を あわせて読みたい 妊婦が注意すべきウイルスや細菌などの感染症 妊娠中は薬が胎児に与える影響などに注意が必要なため、風邪などのさまざまな病気に気をつけている人は多いかもしれません。特にインフルエンザを始めとした感染症は、感染者との接触が感染の原因となる場合もあり、注意を払っている妊婦は多いでしょう。 寒い季節に流行するインフルエンザやノロウイルス、深刻な胎児への影響が懸念される風疹、食べ物から感染する感染性胃腸炎、子どもがかかりやすい溶連菌など、気をつけなければならない感染症は多くあります。どのようなウイルス・細菌にどのように注意すべきかを把握し、適切に予防を講じていくのが大切です。 「溶連菌」にも複数ある!妊婦が注意すべき溶連菌は?
のどが痛み子どもがかかりやすい「A群溶連菌」は、のどを綿棒でこすって菌の有無を確認する検査方法が主流でしょう。5分から10分程度で検査結果が出る方法です。ママから赤ちゃんに感染する「B群溶連菌」は、妊娠後期の妊婦健診で検査が行われる場合があります。細菌培養検査と呼ばれる方法で、おりものから菌が検出されるかどうかで陽性・陰性の判定をします。 溶連菌はどこでうつる? 子どもがかかりやすいことで有名な「A群溶連菌」は、咳や唾液などの飛沫・接触感染が原因で菌がうつることがあります。幼稚園や保育園、家庭で感染が広がることもあります。上の子がA群溶連菌に感染し、ドアノブなどのよく触る場所や口移しといったさまざまな感染経路で妊婦にうつることも少なくありません。子どもや夫など家族に感染者がいる場合には、タオルは共有しない、除菌をこまめにするといった細かな点に注意が必要です。お風呂は念のため、しばらくは感染者が最後に入ると良いかもしれませんね。 「B群溶連菌」は老若男女問わず多くの人が菌を保有しているといわれますが、健康な成人に何か特別な症状が出ることはないといわれています。一方で新生児や老人、糖尿病などの患者には重大な感染症を起こすことがあります。B群溶連菌は一時的に保菌者となっているケースが多いため、出産間近の妊娠後期に検査が行われることが多いようです。赤ちゃんが産道を通る際にママから感染することがあります。 のどの痛み・かゆみに発疹、発熱、溶連菌の症状は? 子どもがのどの痛みや発熱を訴える場合、風邪だけではなく溶連菌の可能性も考える必要があります。子どもがかかりやすい「A群溶連菌」の症状としては、発熱・のどの痛み・頭痛・腹痛・吐き気・嘔吐・腰痛といったものは風邪と共通しています。特徴的なものとしては脇の下や首など柔らかい部分に赤み・かゆみのある発疹が現れる、苺舌と呼ばれる舌の表面に赤くブツブツしたものができる、といったものがあげられるでしょう。風邪とは異なり、咳や鼻水は出ません。2日間から5日間ほどの潜伏期間があります。大人も感染することがあり、症状が出ない人もいます。 新生児の肺炎・髄膜炎・敗血症を引き起こすことがある「B群溶連菌」は、健康な成人が感染していても症状は何もないことが多いといわれています。妊婦自身で感染を確認することはできないため、妊婦健診で検査を受けることが重要になってきます。 溶連菌は出産や胎児に影響を与える?
婦人科でB群溶連菌が少し多いからと、ビクシリンカプセル が処方されました。 明日新型コロナウイ... 明日新型コロナウイルスの予防接種があるので、飲み合わせ?とかは大丈夫か心配です。 現在妊娠中ではなく、今の時点では近くに妊娠希望ではないのですが、ネットだと特に治療しなかったというかきこみがあるので、できれば飲... 解決済み 質問日時: 2021/6/25 12:24 回答数: 1 閲覧数: 7 健康、美容とファッション > 健康、病気、病院 > 病気、症状 細菌性膣炎についてです。 最初はガードネレラ菌、治ったと思ったらB郡溶連菌になりました。病院も... 病院も変えてフラジール膣錠を一週間分もらいましたが、おりものが黄色いままです。 病院の先生には大腸に元からいる菌だから気にしなくていい。と言われましたが黄色いおりものがでるのが嫌です。治す方法はないのでしょうか?...
妊婦であれば、やはり出産にどのような影響が出るのかが気になるでしょう。のどが痛くなり子どもがかかりやすい「A群溶連菌」は、適切な治療をすれば4〜6日程度で熱やのどの痛みは緩和されることが多いといわれています。一方で急激に重症化するケースもあり、高熱による胎児への影響が懸念される場合もあるようです。 「B群溶連菌」は、分娩時に産道を通る際にママから新生児へ感染する可能性があります。このため産道を通らない帝王切開では感染のリスクは少ないといわれています。新生児がB群溶連菌に感染すると肺炎・髄膜炎・敗血症を引き起こす可能性があり、髄膜炎は運動や学習障害などの後遺症が残る場合もあり、死亡例もある深刻な病気です。このため事前に検査で菌の有無を把握し、分娩時の感染リスク対策を行うことが重要になります。 溶連菌の治療法や対策はある?
もっと知りたいGBS検査!Q&A GBSはどんな細菌ですか? GBSの正式名はB群溶血性レンサ球菌(Streptococcus agalactiae. Group B Streptococcus)です。私たちの体の中には常在菌といって、いろいろな細菌が住み着いています。GBSもそのひとつ。女性の腟や直腸、膀胱、肛門の周りなどに常在しています。 GBSは弱毒菌といって、元気な人には病気を起こすことはまずない病原性の弱い細菌です。普通に健康な大人なら、何も症状は出ませんし、病気にもなりません。妊娠中の検査でGBSが陽性とわかっても、妊婦自身には問題は何もありませんし、妊娠中におなかの赤ちゃんに感染する心配もありません。ただし、この菌はお母さんからの移行抗体の無いあるいは少ない「新生児-生まれたばかりの赤ちゃん」にとっては、非常に危険な細菌です。もし、母体にGBSがいてもほとんどは問題ないのですが、GBSの抗体を持たない特殊なお母さんの赤ちゃんに感染すると、新生児GBS感染症を起こすことがあるからです。このため、妊娠中にGBSの検査を行い、母体がGBSに陽性とわかったら、赤ちゃんに移さない予防策をとります。 GBS検査は全員受ける検査ですか? アメリカでは妊婦全員に検査をすることが勧められています。日本でもできれば全員が受けるように勧められています。ただし、前のお産で赤ちゃんが新生児GBS感染症だった場合は、お母さんの抗体が低いことが予想されるので、GBS陽性として扱い、検査を省略することができます。また、今回の検査で陰性と出た場合も、前の赤ちゃんが新生児GBS感染症だったケースでは、GBS陽性として赤ちゃんへの感染予防を行います。 GBSの検査を妊娠後期に行うのはどうしてですか? GBSは腟の中や肛門の周りにいます。つまり、赤ちゃんに感染する心配があるのは、経腟分娩で赤ちゃんが母体の産道を通過するときです。このように、出産時に母体から赤ちゃんに感染することを産道感染といいます。産道感染を防ぐために、妊娠後期でまだお産が始まらない時期、妊娠35~36週頃に検査を行います。 妊娠初期・中期には検査しなくていいのですか? GBSは、妊娠初期・中期には母体にも胎児にも何も悪い影響を与えないので、「GBSの検出を目的にした検査」はしなくていいのです。妊娠初期・中期に他の検査で偶然、GBSが陽性とわかることがありますが、この段階で治療を行う必要はありません。しかし、妊娠後期に必ず再検査を受けることです。妊娠後期の検査で陰性なら、お産のときの感染予防は原則として必要ありません。 GBS検査で陽性と出る人はどのぐらいいますか?